DiaDeMo
MPCVD 法によるダイヤモンド結晶成長解析
Modeling of diamond growth by MPCVD
製品概要
DiaDeMoは、MPCVD法によるダイヤモンドエピタキシャル成膜におけるリアクターの設計やプロセス条件の解析および最適化のための2次元シミュレーションソフトウェアです。
本ソフトウェアは以下の特長を備えています。
- 電場分布とプラズマ密度の解析:キャビティ領域や成長領域のリアクター形状に基づく電場やプラズマ (電子) 密度分布解析
- 温度分布の解析:リアクター内や基板表面温度の解析
- 化学種濃度分布の解析:CxHyなどの反応性化学種間の複雑な化学反応メカニズムを考慮
- 単結晶ダイヤモンドの成長速度の解析:表面反応をとおした基板上ダイヤモンドの成膜速度の解析


製品特徴
主なソフトウェア機能
グラフィカルユーザーインターフェース
- モデル形状作成、メッシュ作成、計算条件設定と計算実行、計算結果の可視化を一つの統合されたグラフィカルユーザーインターフェース (GUI) で実行可能
- 解析全体をスムーズに行うことができる操作環境
CADデータのインポート機能
- 外部CADソフトウェアで作成した形状データ (DXFフォーマット) を読み込み可能
高度な可視化機能
- 可視化専用ツールによる高度な可視化処理が可能
ソルバー
- ロバストなソルバーによる安定した計算
- 並列解析による計算速度の向上


主な物理モデル
プラズマ分布解析
- 指定の周波数およびマイクロ波パワーを考慮した電磁場解析をとおしたリアクター内の電場分布とプラズマ密度分布の高精度な解析
熱輸送モデル
- 熱伝導、対流伝熱、輻射を考慮した熱輸送解析
物質輸送モデル
- 流速分布や対流パターン (流速ベクトル) の詳細な解析
- 気相中化学種の拡散と移流による多成分輸送を考慮
気相および表面反応
- イオン化および電離を含むCxHy反応種を中心とした複雑な化学反応メカニズム
- 表面反応による基板上のダイヤモンド成長
- リアクター壁上の煤の付着解析

解析事例
DiaDeMoによるMPCVD法ダイヤモンドエピタキシャル成膜プロセスの解析
下図の解析事例では、DiaDeMoソフトウェアを用いてマイクロ波プラズマ化学気相成長法 (MPCVD) によるダイヤモンド成長過程をシミュレーションし、リアクター内の温度分布、プラズマ密度分布、化学種濃度分布、および成膜速度分布を解析しました。
解析の結果、基板近傍では温度が高く、プラズマ密度が最大となる領域が形成されることが確認されました。
さらに、成膜速度は基板中心部で最大値を示し、周辺に向かうにつれて低下する傾向が見られました。
この成膜速度の分布は、温度分布および化学種濃度分布と密接に対応しており、リアクター内の化学反応場が成長の均一性に大きく影響することを示しています。
この解析事例は、DiaDeMoソフトウェアがMPCVDプロセスにおけるプラズマ領域や化学種濃度分布の可視化および詳細な解析を可能にし、温度や化学種分布の最適化を通じて成膜プロセスの改善に貢献できることを示しています。これにより、高品質なダイヤモンド成長のための設計指針などを提供する有用なツールとなることが期待されます。




動作環境
GUI (計算条件設定、計算結果出力) :Windows OS
16GB RAM, Windows 10, 11 Professional 以上