PolySim

シーメンス法による多結晶シリコン結晶成長解析

Modeling of polycrystalline silicon deposition by Siemens process

リリースノート

ver1.9がリリースされました。

主な新機能・改善点

  • ポップコーン状態でない結晶表面の面積の予測
  • 1D ソルバーの改良
  • “Outer relaxation factor”の自動修正機能 Modelの改良
  • “Rerun simulation”機能の追加
  • 残差プロットの追加
  • パラメータの単位の初期設定の変更
  • Results におけるスクロールの際の問題の修正
  • 収束しなかったポイントの表示の改良
  • 出力結果部分の色分け

製品概要

PolySimは、シーメンス法プロセスによる四塩化ケイ素 (SiCl4) 原料ガスからの多結晶シリコン成長の開発、及び最適化のために開発されたシミュレーションソフトウェアです。
通常では測定することが難しいリアクター内の多結晶シリコンの成長プロセスの特性をシミュレーションにより再現する事が出来ます。
シミュレーション結果を基に、プロセスの設計や最適化を効率的に行うことが可能になります。
また、実験の場合に比べて短時間で結果を得ることが出来るので、作業時間の短縮や経費削減に大きく寄与します。
さらに、PolySimは数値解析の専門的な知識 (流体解析や化学反応等) が必ずしも必要としないため、現場で実際の実験等に関わっているエンジニアや研究者の方でも容易に使用することが可能です。

製品特徴

①ソフトウェアの機能

PolySimは、特殊な1次元モデルを使用する事により、シーメンス法プロセス全体の特性を把握する事が出来ます。
シーメンス法で使用するリアクター内の温度分布や対流分布等は、経験的に均一化されていることが知られています。
PolySimでは、この様な特性を考慮した平均化された物理モデルを使用する事により1次元解析を可能としています。
PolySimを使用する事により、最低限必要な計算時間、計算資源を用いてシーメンス法プロセスの最適化を行うことが可能です。

図1.シーメンス法リアクター
図2.シリコンへの変換効率の原料流量と流速の依存性

物理モデル

PolySimでは、以下の様なリアクター内での物理現象をモデルとして実装しています。

  • 乱流ガス流れ
  • 抵抗加熱ヒーターの発熱
  • 熱輻射
  • 気相中、及び表面での化学反応
  • 多結晶シリコンの多孔質化 (ポップコーン現象)
  • 気相中での粒子生成

出力結果

PolySimでは、以下の様な結果を出力する事が可能です。

  • 多結晶シリコンの成長速度
  • 生産効率
  • 電力消費量
  • 気相中の温度
  • 原料ガスの消費効率
  • 流出口ガス流速
  • 熱損失(対流伝熱、熱輻射)
  • 多結晶シリコンの多孔質化 (ポップコーン現象) の可能性、及びその面積
  • その他 (電流、電圧、内壁温度等)

PolySimを使用することにより、以下の様な最適化を行うことが可能です。

  • シーメンス法での多結晶シリコンの生産効率の向上
  • 電力消費量の削減
  • 原料ガス (SiCl4) の多結晶シリコンへ変換効率の向上
  • 成長した多結晶シリコンの品質の向上
  • シーメンス法リアクタター、プロセス条件特性の把握
図3.電力消費量の温度と圧力の依存性
図4.多結晶シリコンの生成量の温度依存性

②ユーザーインターフェイス

PolySimでは、シミュレーションの経験がない方にも分かりやすいグラフィカルユーザインターフェース (GUI) を用意しています。
一つのGUIで、リアクター条件、プロセス条件設定、結果出力を行うことが出来ます。
通常1日程度のトレーニングを受けていただければ、習得することが可能です。

図5.PolySim 計算条件入力画面
図6.PolySim 計算結果表示画面

動作環境

GUI (計算条件設定、計算結果出力) :Windows OS
Intel Core i processor, Windows10, Windows11